「テーブル割り」 あるいは 「席次」
このかくも奥深き世界は、年間を通して日本のサラリーマンを悩ませるもののひとつである。
年末年始、期末期初、歓送迎から冠婚葬祭に至るまで、テーブル割りは私たちの生活に欠かせない。
誰が上座に着くのか?
それを誰がもてなすのか?
序列は守られているのか? 悩みはつきない。
しかし、令和の日本にそんなものが必要なのか?人気のなくなったオフィスで、ハタと我に返る就職氷河期世代の中年サラリーマン。
年功序列が音を立てて崩れる幻影にうなされながら、それでも伝統芸能「テーブル割り」の世界に戻るのだ。なぜなら、それが仕事だから…
多分AIにもできないから…
そして、本当にテーブルを割ってしまいたい衝動にかられるのだった。